イラストを上達させるための練習方法としておなじみの「模写」。人の顔や体を模写して覚えようと思っているのだけれど、角度が無限にあって覚えられる気がしない…。模写のコツや、模写をする際の考え方はあるのだろうか?
そこで今回は、模写のコツをPixivにまとめていらっしゃった、らてさんの解説イラストから、どのような考え方で模写に取り組めばよいのかを見てみましょう!
※この記事で紹介している内容はご本人の許可を得て掲載しています。
Pixiv 「らてさん 模写する前の考え方講座」模写する前の考え方
はじめに


複雑なポーズが分からない、覚えられない人向けの、模写の考え方の講座となっております。

模写に入る前に、体についての三つの考え方について見てみましょう。
①体はパーツに分かれる
②体は立体でできている
③全ては縦と横の角度の組み合わせ
①体はパーツに分かれる


体は、頭、首、腕…といったパーツごとに分れているとのことです。
②体は立体でできている


顔や体は、立方体をイメージします。
立体には、表面と裏面、右の側面と左の側面、下の面と上の面があるとのことです。

頭以外のパーツも全て立体であることを意識します。
腕や脚は円柱として省略することが多いですが、便宜上、当解説では直方体として省略します。


体の側面部分を赤く塗り、直方体として省略した体を、通常の体の上に重ねています。
通常の体のイラストでは、側面と表の面の境界線が描かれていません。
立体のアウトラインのみを抽出して描かれている、とのことです。
③全ては縦と横の角度の組み合わせ

模写をしようとしても、顔もポーズも無限にありそうで難しい…。
そんな時は、枠にはめて考えてみましょう。

横の角度は、正面、中間①、中間②、真横の4つと考えることができます。
立体を時計回りに回転させているイメージとのことです。

反時計回りも、時計回りを左右反転させただけなので、実質、顔の角度は4つしかないとのことです。

背面も同様のことが言えます。

縦の角度は、正面、アオリ-中間①、アオリ-中間②、アオリ-真下、フカン-中間①、フカン-中間②、フカン-真上の向きがあります。


顔の向きは、縦の角度と横の角度の組み合わせと考えることができます。


顔の絵を、表の一致する向きに当てはめてみましょう。

斜め向きのアオリとフカンの顔は、縦のラインの別の角度から見ただけのものとのことです。

講座の序盤で解説した、人体は立体のアウトラインのみを抽出して描かれていることを思い出しましょう。
顔についても同様のことが言えます。

アオリの場合はアゴが見えており、フカンの場合は頭頂部が見えています。
アオリやフカンで角度がつく場合は、平面的な向きに比べて含まれる面の数が違うので、立体を意識するとよいとのことです。

胸や腰、手や脚など、立体であるならば、どのパーツでも表に当てはめることができるとのことです。
①〜③のまとめ




①〜③の内容をまとめています。
①〜③を踏まえた上での模写

①体はパーツに分かれる
②体は立体でできている
③全ては縦と横の角度の組み合わせ
この三つを踏まえた上で模写をします。


漠然とお手本の絵の線だけ写そうとしても、上手くいかず、頭にも残りにくいとのことです。

三つの考え方を活かすと、人物が立体的に見えてくるはずです。

ここでも、人体は立体のアウトラインのみを抽出して描かれていることを思い出しましょう。
お手本の絵から体の内側の立体を見出し、薄く下書きします。
その立体の外側をなぞるような感覚を持つと、描きやすいとのことです。

体のパーツごとに分解して考えてみましょう。




胸、腰、脚のパーツを立方体として考え、その集合体を解説イラストのポーズとして捉えています。

「ポーズ」というと一見無限にあるかのように感じますが、色んな角度のパーツが組み合わさっているだけと考えれば、前より描けそうな気がしそうです。
無駄にならない練習の仕方

今日は「若干横向きで少しアオリの胸のパーツ」を練習しよう、覚えよう!といった風に、事前に、体の各部位を勉強する日を作るとよいとのことです。

後日、体全体を描いたり、好きなキャラクターを模写する際に、ポーズや体の部位に注目します。
事前に練習していた角度のパーツが含まれていれば、頭の中の引き出しから物を出してくるような感覚で、覚えた知識を活かすことができます。
まとめ
模写をする際の考え方を知ることができました。人の顔や体の角度が多すぎて覚えられない、模写が上手にできなくてお悩みの方は、体を立体として捉えて、角度の組み合わせを考える、らてさんの模写講座を参考にしてみて下さい。
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